今回の知床滞在期間中にどうしてもやりたいことが1つありました。
それは、羅臼岳登山なのです。
日本100名山にもなっており、山歩きが好きな人であればだれでも知っているであろうこの山ですが、僕自身10年ほど前に1度だけ登ったことはあるものの、その時は頂上付近で雲がかかってしまいせっかくの絶景が見れず不完全燃焼な感じの登山となったのでした。
そんなこともあり、リベンジを果たすべく晴天の日を狙っていたところでありますが、どうやら天気予報では知床滞在2日目にあたる日曜日が晴天の予報でまさに絶好の登山日和のようだったのでこの日を選びました。
実はいつもどおり息子を連れて行きたかったところでしたが、今時点の息子の体力を考えるとちょっと厳しいかなと思い僕だけの単独登頂となりました。
キャンプ場の皆がまだ寝静まる朝4時に起床しました。
空を見上げたところ、この時点で絶好の登山日和を確信しましたね。
ということで、さっさと身支度を整え、羅臼から反対側のウトロ側まで朝食用に買っておいたレーズンパンをかじりながら車を走らせました。
途中、知床峠を経由していきますが、あまりにも景色が良すぎてついハイテンションとなってしまいます。
これから登る羅臼岳や・・・
これを絶景と言わず何を絶景というのだろうか。
しばらく見ていたかったけど、先を急ぐのでさっさと峠を下りました。
登山口のある岩尾別に向かう途中、野生動物が車関係なしに横切っていました。
しかも1頭どころではなく何度も群れに出くわしました。
さすが、知床!
動物色が濃い!
キタキツネ、エゾジカと続けばヒグマももしやと思いカメラのシャッターチャンスを伺っていましたが、残念ながら会えませんでした。(もちろん車だからそんなことが言えるのだが・・・)
さて、登山の話に戻すとして・・・
6時ちょうど登山口の木下小屋を出発します。
さすが、登山日和ともあって登山者名簿にはすでに数十名の名前が書き込まれていました。
ここは知床。
道内でも有数のヒグマ生息地であることを忘れてはいけませんね。
数日前にもあちこちでヒグマが出ているようです。
最新の注意を払わなければと思い・・・・
鈴のほか笛を準備しました。(山菜採りやキノコ採りでは必需品だけど)
かつてキノコ採りしている時、30メートルの至近距離でヒグマに遭遇した自分がいうからだけど、やっぱり熊には絶対に会いたくないものです。
ところが、意外にも笛はおろか鈴すらつけていない登山客が多いのに驚きましたね。
登山客が多いから熊なんか寄って来やしないと確信しているのか、それとも、熊の恐ろしさが分かっていないのか・・・
まあ、どっちでもいいやと。
初めの30分ぐらいはこのような薄暗い林の中を登っていきます。
このような薄暗いところはいかにも熊がいそうなので、カーブの手前では笛をこまめに吹いときます。
林を抜けるとやがてオホーツク海がちょくちょく見えだします。
7時半。
羅臼岳にいくつかある水場のうち最初に出会う「弥三吉水」に到着しました。
登り始めてからちょうど1時間半ですでに汗だくとなり、このタイミングでの水場はまさに天国でありました!
飲めるのかどうか不安だったので飲むことはしなかったけど、頭から水を浴びたのは最高に気持ちよかったですね。
ここで初の休憩です。
栄養補給しときます。
弥三吉水で10分ほど休憩をとった後、引き続き山道を登りつめ、途中、極楽平や仙人坂などを経たのち、ようやく2番目の水場「銀冷水」に到着です。
ここまでくるとだいぶ登ってきた感があります。
8時40分。
登り始めて2時間半ちょい。
ようやく羅臼岳の中でもハイライトといってもいいであろう「大沢」の入口に到着です。
それまでの見晴らしは決していいと言わず、林の中をたんたんと登るだけの単調な道のりでありましたが、ここから頂上までは高山植物や景色の眺めが良くかなり楽しめます。
昔登った時は確か、同じような時期だったと思うけど雪渓を登った記憶がありますが、今回、雪渓はおろか残雪がほんの一部ある程度でした。
大沢は木々など遮るものが一切ないので景色は最高なので登っていて楽しいですね。
そして、何より苦労して登ってきた僕に対する最高のご褒美が色とりどりの高山植物でありました!
自分でもよくわからないけど、最近になって高山植物の良さに目覚めてしまったのです。
短い夏を必死で生き抜く生命感たるものに心を打たれたからなのか、それとも単に自分が年とった証拠だからなのかよくわかりませんが・・・
まあ、いずれにしても高山植物が咲き誇った様子にはかなり感動もんです。
7月にも富良野岳で出会った「エゾコザクラ」に・・・
やや小ぶりな「チングルマ」
綿毛のチングルマにも出会いました!
これは「エゾツガザクラ」
この花、富良野岳でも見たけどけっこう好きだな~
大沢を登っているととても目立って咲いていたのが、この「エゾツツジ」。
初めてみたけどきれいだったな~
とまあ、意外と高山植物は見ていて飽きず、それまでの疲れを消し去ってくれるほどの癒しを与えてくれたのでした。
そして、大沢の登りを終えてようやく到達した場所。
そこが「羅臼平」!
もうそこには羅臼岳の頂上が間近に迫っており、あとは岩山をを登るだけとなりました。(実はこの登りがかなりきつい!)
次回はいよいよ羅臼岳からの絶景について書こうかなと思います。